コラム

2016年5月22日 - 金輪継

 

柱になる材料がもうない。
あるけど長さが足りない。買ってくるのは簡単だけれども、そうすると村長は怪訝とした仏頂面でフンというだろう。うちの村長はロンドン生まれの新宿育ちで、都会と消費経済に飽き足りているし、奇をてらう斬新さにも殊の外興味がなさそうである。

俺、意図せず大工さんと呼ばれることが増えてきていて、ならばと大工さんのようなことをしてみました。「金輪継」。古材と古材を継合わせました。伝統工法で、ビス・釘なしで強度があるみたいです。中央に込み栓を叩き込む。込み栓ぶち込みながらお互いが寄せ合う感じはたまりません。ネットで写真を見てみて、てきとーに初挑戦。3度目でやっと上手くいきました。粗いけど。差し金、ノコギリ、ノミをあーだこーだ駆使。

消費した時間相応の有意義を得ました。
村長は笑ってくれるだろうか。

2014年11月20日 - 花芽分化

 

ごまんとある植物の種類。そのそれぞれに特徴があり、一種類で一冊本が書けるととまで言われています。ながい付き合いです。一生をかけてじっくりと知り合っていこうかな。

 

夏前にハクモクレンをジロジロと眺めていたらいつまでたっても出てこない葉芽があるじゃないか。なんだこりゃと思っていたら、これは花芽でした。うーん。アジサイの花芽分化が早いのは有名だけども、ハクモクレンもそうみたい。春、花が咲き終わったらすぐに来年の花芽を準備している。えらいなあ。

テキトーな時期に剪定したりして、うーん、なんでうちのハクモクレンは咲かないんだ?なんて話になってしまうところでした。一年をかけて準備をしているモクレンさん。来年の花はより一層いとおしくなりそうです。

2014年7月10日- 破壊の衝動
僕らは大人になったからって、破壊の衝動が消え失せたわけじゃないと思う。

どこかに内包しながら生きてる。
喜怒哀楽を大切にして、ぶっ壊すときは思い切りスカッとぶっ壊す。
壊すことも作ることの一部。とても大事なこと。
「このガラをどこにどう使ってやろうかな」と思いをめぐらす。
エネルギーは保存されるんだ。

2014年6月9日-もみじの時間
いろはもみじ。
切らない手入れで、4年間放置。
空間をつくることは時間の経過と同義になる。

徐々に自然樹形に近づいてきて、都市のど真ん中でも山荘の趣。
大きな木陰は風を呼び込む。
揺らぐ葉先は炎の揺れと似てるよね。心が安らぐ。

全ての庭にこのモミジがあれば、かなりエコだと思うよ。

2013年7月5日- 加賀 兼六"橋”百景 photo

かの有名な兼六園を観光した折にすこし意識して撮った写真たち。
広大な庭園内には非常に多くの景色が用意、あるいは仕掛けられており、その数々のユートビアの間を優雅に水が流れるのである。
あちら側とこちら側、(仏教的には此岸と彼岸というのだろう)を隔てているものが川であり、繋いでいるものが”橋”である。

意識してみると園内には様々な形状や素材の橋があり、渡り方も様々。
そうして考えると、橋上からの眺めもまた特別な意味合いを持つ。

先人たちの「あちらとこちらの繋ぎ方」のこだわりには頭が下がる思いだ。面白いのでここに投稿する。記念写真として。

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